国際的なサイケトランスの祭典、Psy-Fi フェス
Psy-Fiフェスティバルとは、オランダで毎年行われているPsy-Trance(サイトランス)を主体とした音楽、文化、芸術の祭典だ。
2013年に開催された当初は小さなイベントだったが、今やオランダでも最大規模の国際的なフェスへと成長を遂げ、毎年何千人というサイ・ラヴァーズを魅了している。
Psy-Fiフェスはただ音楽を楽しめる場としてだけではなく、トランスにまつわるカルチャーをおよそ1週間にわたって提供していることも魅力の一つだ。
前回(2019年)のイベントでは、116カ国もの国々からファンが集まった。
Psy-Fiフェスでは、世の中のあらゆるトピックに関するワークショップ、講義も提供している。
参加者はフェスティバルを通して得た知識や経験から、より良い価値観や新たな世界観を発見できる点も魅力となっている。
音楽だけに留まらない学びの場
Psy-Fiフェスティバル自体の歴史はまだ浅いが、ヨーロッパでも最大のサイトランスフェスティバルの1つとなる道を着実に歩んできている。
このフェスティバルはおよそ1週間に渡って開催されており、参加者個人の成長を促すための素晴らしい音楽やアート、環境を提供している。
「規模が大きいほど良いとは限らない。」
主催者の言葉であり、これこそがこのフェスティバルの精神だ。
やみくもにイベントの規模を大きくするのではなく、できる限り参加者にとって濃密で充実した体験ができることに焦点を合わせているのである。
過去の参加者もイベントを通じて得た学習体験を非常に重要であると感じており、Psy-Fiフェスチームもイベントでの学びを日常生活へと取り入れることを奨励している。
そのためPsy-Fiフェスチームは、世界からあらゆるジャンルの専門家を講師として招待している。
心理学、科学、サイケデリック、宗教、社会、シャーマニズム、パーマカルチャー、持続可能性、古代文化、ダンスなどだ。
これによって、広範囲のトピックをカバーする学習プログラムを提供することを可能にしている。
もちろん音楽のために集まっている人々も納得できるような、最高のラインナップを提供することへの努力も惜しんではいない。
Psy-Fiの意味
Psy-Fiフェスティバルという名称は、「何が本物なのか」という質問に由来している。
人々が音楽、サイケデリックや瞑想、もしくは他の手段を通じて別の現実へとトリップする時のことを考えてみよう。
これらの経験はSF(SY-FI)なのか?それともリアルな現象なのか?
これはサイケデリックな体験を語る上でも最も大きな疑問の1つだ。
そしてこの体験を得るために必要なツール、環境を参加者に提供することをフェスの目的としている。
Psy-Fiフェスティバルを通じて、「普段感じている現実とは違う状態」を体験し、参加者それぞれの答えを模索することを到達点に掲げているのである。
Psy-Fiチームは、世界的に有名なDJによるライブアクト、素晴らしいアートのエネルギーや雰囲気から、「変化した自分の状態」への理解が深まることを確信している。
フェスの使命_より高いレベルの意識へ
Psy-Fiフェスティバルの使命は、参加している人に音楽、文化、芸術、個人の成長、自然を楽しむことができる空間を創ることにある。
国、文化、宗教といった枠を超えて、人々が出会い、協力し合って一体となることができる場所。
そして究極の目標は、集まった人々がお互いから学び合い、自由と平和と調和を愛する本当の自分になることができる世界を創り上げることだ。
Psy-Fiフェスティバルは、サイケデリックにおけるサブカルチャー、すなわち団結、平和、愛、尊敬などを中心とした価値観を持つ文化に焦点を当てている。
イベントでのプラグラムを通じて参加者個人の意識を高め、最終的にはイベントで体験したことを日常生活に取り入れる。
そして社会に戻ってから、他の人の模範となるようなライフスタイルを示していくことを目標としているのだ。
Psy-Fiフェスティバルの歴史
Psy-Fiフェスティバルには、既に多くの物語がある。
2013年、現在とは別の場所である『Stadspark of Groningen(オランダフローニンゲン地方にあるスタツパルク)』で開催されたのが発祥だ。
Psy-Fiフェスの主催者は大きなサイトランスファミリーの一員として、これまで世界中のフェスティバルやイベントを旅してきた。
そんな折、「オランダでサイトランスのフェスティバルを行う時期がきた」と強い使命を感じたという。
世界のサイ・ラヴァーズへ貢献していくことが義務であると感じ、お金を稼ぐためではなく、シーンに尽くすために心や魂、愛や情熱を持ってフェスを運営した。
チケットの販売で得られたお金は、すべて次のフェスティバルへと投資することで参加者の費用をできるだけ安く抑えるようにした。
そんなPsy-Fiフェスティバルは年々大きく成長を遂げていき、世界中から多くの人々が訪れるようになったのである。
Psy-Fiチームは開催場所を(現在行われているレーワルデン近郊)変更し、Psy-Fiフェスティバルがより国際的で刺激的になるように尽力してきたのだ。
美しい環境と取り組み
Psy-Fiフェスティバルは、インスピレーションを与えるようなメッセージ性、満ち溢れるエネルギー、寛容でゆったりとした雰囲気が特徴的だ。
このフェスティバルは、誰もが座ってリラックスできるような落ち着いた雰囲気のイベントとして説明されることが多い。
魔法のように美しい景観、また最高の雰囲気に包まれながら個人として成長していける場所だ。
非常に環境に優しいフェスティバルとしても知られており、Psy-Fiチームはできる限り「環境に負担をかけない」方法でイベントを運営することに最善を尽くしている。
廃棄物を削減するために使い捨てアイテムの販売禁止、肉類の販売禁止。
さらに自転車無料チケットの配布(Psy-Fi By Bikeプログラム)は、このフェスティバルの素晴らしい環境への取り組みだ。
また麻薬の使用に関してはリベラルなポリシーを持っており、合法的なサイケフェスとして売り出されている世界中でも数少ないフェスティバルの1つである。
Psy-Fiフェスティバルとは素晴らしい音楽だけではなく、人種や国、性別や宗教に関係なく世界中の人々を貴重な体験で結ぶことができるイベントなのだ。
Psy-Fiフェスティバルギャラリー
Psy-Fiフェスティバルの場所と行き方
Psy-Fiフェスティバル開催地:
De Groene Ster, レーワルデン, オランダ
Google Maps :
Psy-Fiフェスティバルの開催地は、オランダのレーワルデン近くのデグルーネスターにある。
鬱蒼とした木々に囲まれた緑の芝生、自然に囲まれた環境の中で行われる。
近くの湖には神秘的なビーチ(公式のヌードビーチ)があり、フェスティバルエリア全体に点在している水域で泳ぐことも可能だ。
息を飲むほど美しい風景で、世界中の喧噪から遠く離れた、時間の止まった忘れ去られた場所のような雰囲気を醸し出している。
愛、平和、リラックスといったフェスティバルの雰囲気にもぴったりの場所だ。
Psy-Fiフェスティバルはいくつかのセクションに分けられており、そのうちの1つ『聖なる島』でワークショップや講義のほとんどが行われる。
Psy-Fiフェスティバルの詳細な行き方については、公式サイトへ。
Psy-Fiフェスティバル Q&A
オランダのレーワルデンという小さな町の近くにあるDe Groene Ster(デグルーネスター)で開催される。首都アムステルダムからは約150km。
Psy-Fiフェスティバルの最大収容人数は15,000人で、チケットは毎年売り切れる。
ほとんどが他国からの参加者で、前回は116カ国から集まった。
国際色も豊かで多くの人々が集まってはいるが、居心地が良く親しみやすい環境であるとして人気を博している。
車かバスを利用して行くことができる。またアムステルダム空港から会場までを直接往復するチャーターバスサービスも提供されている。
Psy-Fi Bikeプログラムも用意されており、200km超の距離を自転車で移動することも可能。
詳しくはPsy-Fiフェスティバルの公式サイトへ。
通常は5日間続き、9日間キャンプすることが可能。毎年開催されている。
医療/トリッピングケア、無料の飲料水、温水/冷水シャワー、無料の電子機器充電、無料のキャンプエリア、トイレ、ゴミ箱、また特別チケットの購入が必要なバン/キャラバンが用意されている。
枕、マットレス、シーツ、寝袋などの設備が整ったキャンバスベルテントが特徴的なティピキャンプ(フェスティピ)もある。
さらに必要なキャンプ用品を備えた低予算のテントレンタルサービスオプション(Kartent)も用意されている。
沢山の屋台(ベジタリアンやヴィーガン食)、ワークショップやマッサージステーションもあり、フェスティバルの内容をより充実させている。